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高田馬場の路地裏探訪。Curry Kitchen CACAの奥深きスパイス宇宙

高田馬場の路地裏探訪。Curry Kitchen CACAの奥深きスパイス宇宙

好奇心を掻き立てる、高田馬場の「深化系」カレーとの出会い

日々、街は表情を変え、新しい食の体験が生まれています。特に高田馬場のような多様な文化が交差する場所では、思わぬ路地裏で本質的な美味しさに出会うことがあります。

今回ご紹介するのは、まさにそんな発見の喜びを与えてくれる「Curry Kitchen CACA」。ここは、ただのカレー店ではありません。ランチからディナー、そして深夜3時まで営業する「深夜食堂」の顔も持ち合わせ、定番の極上カレーから「二郎系インスパイア」という斬新な創作カレーまで、訪れる者の知的好奇心と食欲を同時に満たしてくれる、懐の深い一軒です。

王道を極めた一杯を求める方にも、既存の枠にとらわれない新しい刺激を求める方にも、きっと心に響く一皿が見つかるはず。そんなCACAの魅力の源泉を探ってみましょう。

お店の基本情報

  • 店舗名: Curry Kitchen CACA
  • 住所: 東京都新宿区高田馬場2-19-8 藤村ビル 1F Bar Daigo内
  • アクセス: 高田馬場駅から徒歩数分。賑やかな通りから一本入った、隠れ家のようなロケーションです。
  • 営業時間:
    • 火〜金: ランチ 12:00〜15:00 / ディナー 18:00〜22:00 / 深夜食堂 22:00〜3:00
    • 土日: ランチ 12:00〜16:00 / ディナー 18:00〜23:00
  • ウェブサイト: https://currycaca.com/
  • (※営業時間は変更になる場合もあるため、訪問前に公式SNSなどで確認するのが確実です)

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路地裏の引力。CACAが放つ、定番と革新の香り

新宿ゴールデン街や高円寺での間借り営業を経て、この高田馬場の地に根を下ろした「CACA」。その背景を知るだけでも、一筋縄ではいかないこだわりが感じられます。

店内は「Bar Daigo」を間借りしていることもあり、昼間でもどこか落ち着いた、大人の隠れ家といった趣。カウンター席に腰を下ろすと、厨房から漂うスパイスの複雑で芳醇な香りが鼻腔をくすぐります。

このお店の最大の魅力は、その「振れ幅」にあるのかもしれません。20時間かけてじっくりと旨味を引き出した王道の牛すじカレーという「静」の極みがあるかと思えば、カレー炒飯に野菜と背脂を盛り付ける「動」の極みも存在する。

それでいて、価格は非常に良心的。定番カレーが1,000円からという設定は、このクオリティを考えると驚くべきコストパフォーマンスです。高田馬場という土地柄、学生からビジネスパーソンまで、多くの人々のお腹と心を満たしたいという、お店の温かい心意気すら感じられます。

深夜帯は「深夜食堂」として、居酒屋メニューも提供されるというから、その懐の深さには脱帽です。仕事終わりにふらりと立ち寄り、小皿料理で一杯やりつつ、〆に絶品カレーを味わう…そんな贅沢な日常が、ここなら実現できてしまいます。

CACAを識る、三つの一皿。実食インプレッション

メニュー選びは、まさに嬉しい悩み。看板メニューから日替わりまで、どれもが個性を放っています。今回は、CACAの世界観を体現する代表的な三皿をご紹介します。

1. 【至高の牛すじカレー】(1,000円)

まず対峙すべきは、お店の原点とも言える看板メニュー「至高の牛すじカレー」。

運ばれてきた瞬間、スパイスの奥深い香りが立ち上ります。ルーを一口含むと、まず感じるのは骨髄から溶け出したような圧倒的な旨味とコク。20時間もかけて煮込まれたという牛すじは、繊維がほどける寸前の柔らかさで、口の中でとろけていきます。

スパイスはただ辛いのではなく、幾重にも重なった複雑な香味(アロマ)が時間差で広がる印象。欧風カレーのようでもあり、スパイスカレーの鮮烈さも併せ持つ。このバランス感覚は、まさに「至高」と呼ぶにふさわしい、熟練の技術を感じさせます。定番だからこそ、ごまかしが効かない。その期待を遥かに超えてくる、誠実で力強い一皿です。

2. 【禁断のコラボ 次郎系カレー炒飯】(1,000円)

次に紹介するのは、その名も「禁断のコラボ」。カレー専門店で「二郎系」という言葉を目にするとは、なんとも好奇心を刺激されます。

目の前に現れたのは、まさに”山”。カレールーをまとった炒飯(チャーハン)の上に、こんもりと盛られた野菜、鎮座する特製チャーシュー、そして輝く背脂。

まず炒飯部分を。パラリと仕上げられた米粒一つひとつに、カレーの旨味とスパイスがコーティングされています。これだけでも完成された美味しさですが、野菜のシャキシャキ感、背脂の甘く濃厚なコク、そしてホロリと崩れるチャーシューが加わると、口の中は旨味の狂騒状態。

ジャンクでありながら、ベースとなるカレーがしっかりしているため、決して大味ではない。計算され尽くしたカオスとでも言うべきでしょうか。「カレー炒飯」というジャンルに、新たな解釈(インスプレッション)を与えた、CACAでしか味わえない衝撃的な一皿です。トッピングで「全マシマシ」に挑むのも一興でしょう。

3. 【本日のカレー】(1,000円〜)

CACAの探究心をもっとも感じられるのが、この「本日のカレー」。

その時々のインスピレーションで生まれる自由な創作カレーは、訪れるたびに新しい発見をもたらしてくれます。ウェブサイトによれば、過去には「麻辣キーマ」や「ミルクスープ×エッグライス」、「ハニーマスタードポーク」など、名前を聞くだけで食欲がそそられるメニューが並びます。

定番の牛すじカレーとこの「本日のカレー」を一度に楽しめる「2種盛」(1,300円)は、CACAの「静」と「動」を同時に体験できる、非常に賢い選択かもしれません。いつ訪れても「今日は何だろう?」というワクワク感がある。これこそ、食通たちの足を何度も運ばせる引力となっています。


まとめ:日常に、上質なスパイスと発見を

高田馬場の路地裏に佇む「Curry Kitchen CACA」は、カレーという料理の持つ無限の可能性を、真摯に、そして大胆に追求する場所でした。

王道の「至高の牛すじカレー」で深い安らぎを得るもよし。「次郎系カレー炒飯」で未知なる旨味の領域に足を踏み入れるもよし。あるいは「本日のカレー」で、一期一会の創作性に舌鼓を打つもよし。

ここは、忙しい日常の中で少し立ち止まり、自分の好奇心を満たしたいと願う、知的な大人たちにとっての完璧な「給油地(ピットイン)」のよう。

(ANのような視点:しっかりとした技術的基盤(牛すじカレー)があるからこそ、一見奇抜に見える創作(カレー炒飯)にも説得力が生まれる。この「守破離」のバランスが、実に興味深いですね。)

ランチ、ディナー、そして深夜。どの時間帯に訪れても、CACAは変わらぬ情熱で、最高の一皿を提供してくれます。

「あ、なんだか無性に美味しいカレーが食べたい」。

そう思った時、ふらりと立ち寄れるお気に入りの場所が一つ増えました。この奥深いスパイスの世界を、ぜひ一度、体験してみてはいかがでしょうか。

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