×

四谷三丁目の隠れ家ビストロ「パザパ」で味わう、奇跡の3,300円プリフィクス。

四谷三丁目の隠れ家ビストロ「パザパ」で味わう、奇跡の3,300円プリフィクス。

東京の喧騒がふっと途切れる、新宿区舟町。四谷三丁目駅からほど近い杉大門通りの、さらに一本入った細い路地。そこは、知らなければ通り過ぎてしまうような、まさに「隠れ家」と呼ぶにふさわしい場所です。

今回ご紹介するのは、そんな場所に静かに佇む老舗フレンチビストロ「パザパ (PAS A PAS)」。

美食家たちがこっそり通うこのお店では、前菜・メイン・デザートで構成される本格的なプリフィクスコースが、信じられないほどの価格で提供されています。

クラシックなフレンチの真髄を、心ゆくまで。この記事では、なぜ「パザパ」がこれほどまでに人々を惹きつけてやまないのか、その魅力の核心に迫ります。本物の味を求める探求心が、きっと満たされるはずです。

お店の基本情報

  • 店舗名: パザパ (PAS A PAS)
  • 住所: 東京都新宿区舟町5 1F
  • アクセス: 地下鉄丸ノ内線「四谷三丁目」駅 徒歩3分
  • ウェブサイト (Instagram): https://www.instagram.com/pasapas_1983

こちらでも掲載中>

時代に流されない、本物のビストロがここに

「パザパ」は、この地で約30年もの間、訪れる人々の舌と心を満たし続けてきた、真の老舗ビストロです。

扉を開けると、そこはまるでパリの街角から切り取られたかのような空間。こぢんまりとした店内は、温かみのある照明と、使い込まれたテーブルや椅子が心地よい「歴史」を感じさせます。壁に貼られたパリの市街地図や、レトロなテーブルクロスが、気取らない本場のビストロの雰囲気を醸し出しています。

切り盛りされているのは、長年連れ添われたご夫婦(と、想像が膨らみます)でしょうか。その穏やかで丁寧な接客が、この空間の居心地の良さをさらに高めています。

しかし、このお店の最大の魅力は、その「雰囲気」だけではありません。驚くべきは、その圧倒的なコストパフォーマンスにあります。

現在、多くのレストランが価格を見直さざるを得ない状況の中、「パザパ」では、ディナータイムであっても、前菜・メイン・デザートを選ぶプリフィクスコースが3,300円(税込)で提供されているのです。

一瞬、メニューの価格を見間違えたかと思うほど。しかし、それは紛れもない事実。この価格で、果たしてどのような料理が供されるのか。期待は高まるばかりです。

シズル感溢れる、実食の記憶

このお店の真価は、もちろんその味わいにあります。クラシックな技法に裏打ちされた料理は、どれも実直で、素材の良さがまっすぐに伝わってくるものばかりです。

■ ランチ&ディナー共通:プリフィクスコース(3,300円)

ランチもディナーも、基本はこのプリフィクススタイル。黒板に書かれた魅力的なメニューの中から、それぞれ一品を選びます。

【オードブル(前菜)】

まず、多くの常連客が「必食」と口を揃えるのが**「鶏レバーのパテ」**です。

運ばれてきた瞬間に感じる、なめらかな質感。バゲットにたっぷりとのせて口に運ぶと、まるで上質なショコラのテリーヌのように、ふわりと溶けていきます。レバー特有のクセや臭みは一切感じられず、代わりに広がるのは、濃厚なコクと芳醇な香り。これほどまでに洗練されたレバームースに出会えるとは。感動的な一皿です。

もう一つの定番、**「パテ・ド・カンパーニュ」**も素晴らしい。

ぎゅっと凝縮された肉の旨味と、レバーやスパイスが織りなす複雑な風味。添えられたピクルスの酸味が、その力強い味わいをキリッと引き締めます。一口ごとに、ワインが恋しくなること請け合いです。

【メインディッシュ】

メインの選択肢もまた、王道のビストロ料理が並びます。

特におすすめしたいのが**「牛肉の赤ワイン煮込み」**。

ナイフが不要なほど、ほろほろと柔らかく煮込まれた牛肉。スプーンで触れるだけで、その繊維が優しくほどけていきます。デミグラスソースとは一線を画す、赤ワインの酸味と深いコクが溶け込んだソースは、まさにクラシックフレンチの真骨頂。添えられたマッシュポテトにこのソースを絡めていただく瞬間は、至福としか言いようがありません。

また、しっかりとした食べ応えを求めるなら**「牛ステーキ」**も良い選択です。

絶妙な火入れで焼かれた赤身肉は、噛みしめるほどに肉本来の旨味が溢れ出します。シンプルなフリット(フライドポテト)が添えられているのも、ビストロらしくて嬉しくなります。

【デザート】

食後の締めくくりも、手抜きはありません。

定番の**「クレームブリュレ」**は、ぜひ試していただきたい一品。

スプーンで表面をコンコンと叩くと、パリッと小気味良い音が響きます。その香ばしいカラメルの層を破ると、下から現れるのは、バニラビーンズが香る、とろりと濃厚なカスタード。このコントラストがたまりません。

一皿一皿が、実に丁寧な仕事。これが3,300円のコースで体験できるという事実に、改めて驚きを禁じ得ません。

まとめ:本質を知る大人のための「止まり木」

「パザパ (PAS A PAS)」。フランス語で「一歩一歩」を意味するその店名は、流行に流されることなく、実直に美味しい料理を提供し続けてきたお店の姿勢そのものを表しているようです。

最近はテレビで紹介されたこともあり、予約が取りにくい日もあるようですが、それも納得のクオリティです。

(ANの視点)

「情報が溢れる今、私たちはつい新しいものや派手なものに目を奪われがちです。けれど、本当に価値があるのは、こうして何十年も変わらずに“本物”を提供し続けてくれる場所ではないでしょうか。ここには、奇をてらった演出はありません。あるのは、確かな技術と、誠実な食材、そして良心的な価格。これこそが、私たちが探し求めるべき“本質的な豊かさ”なのだと感じます。この一皿のために、わざわざ足を運ぶ価値が、間違いなくありますね」

クラシックなフレンチを、肩肘張らずに、心ゆくまで味わいたい。

そんな本質を知る大人のための、とっておきの「止まり木」が、四谷三丁目の路地裏にありました。大切な人と、あるいは一人でゆっくりと、本物のビストロの味を堪能してみてはいかがでしょうか。

こちらでも掲載中>

コメントを送信