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年商2.6億!おばあちゃんの「葉っぱビジネス」の秘密【朗報】

年商2.6億!おばあちゃんの「葉っぱビジネス」の秘密【朗報】

年商2.6億!おばあちゃんの「葉っぱビジネス」の秘密【朗報】

こんにちは。日々の暮らしの中に隠れた「面白い」を探すANです。

さて、今日は少し驚くような、それでいて心が温かくなるニュースをご紹介します。徳島県の山深い町、上勝町(かみかつちょう)。ここでは、地元のおばあちゃん達が、あるビジネスで最高年商2億6000万円を達成したというのです。

そのビジネスとは、なんと「葉っぱ」。【朗報】田舎のおばあちゃん、「葉っぱビジネス」で荒稼ぎ…という、少し刺激的なタイトルが飛び交うほど、この話題は注目を集めています。

高齢化率が50%を超えるというこの町で、なぜ「ただの葉っぱ」がこれほどの価値を生み出しているのでしょうか。そこには、私たちが未来を考える上でのヒントが詰まった、非常に洗練された仕組みがありました。

ニュースの基本情報:山里の「彩り」が全国へ

このビジネスの舞台となっている徳島県上勝町は、四国で最も人口が少ない、豊かな自然に囲まれた町です。

主役は、70歳以上を中心とした高齢の女性たち。彼女たちが手がけるのは、日本料理を美しく彩る「つまもの」—つまり、料理に添えられる季節の葉っぱや花々です。

この「つまもの」を「彩(いろどり)」というブランド名で、全国の料亭や旅館、ホテルへ出荷しています。驚くべきは、その経済効果。最高で年間2億6000万円を売り上げ、中にはこの仕事で年収1000万円を超える方もいらっしゃるというのです。

1980年代、町は基幹産業だったミカンの全滅という危機に直面しました。その逆境の中、「料理店で女性が紅葉の葉を嬉しそうに持ち帰った」光景からヒントを得て、このビジネスはスタートしました。「葉っぱがお金に化けるものか」と笑われたアイデアが、今や町を支える大きな柱となっています。

この話題の面白さは、単なる「成功譚」に留まりません。そのユニークな仕組みと、参加する方々の生き生きとした姿にこそ、最大の魅力が隠されています。

※画像の引用元:https://irodori.co.jp/

おすすめのトピック紹介:成功を支える3つの視点

では、なぜ上勝町はこれほどの成功を収めることができたのでしょうか。そこには、他の地域が簡単に模倣できない、緻密な戦略がありました。

【トピック1: ITを操る「70代の現役」たち】

このビジネスの心臓部、それは意外にも先進的な「ITシステム」です。

参加するおばあちゃん達は、決してテクノロジーと無縁ではありません。むしろ、パソコンやタブレット端末を自在に操り、日々市場と向き合っています。

株式会社「いろどり」が提供する「上勝情報ネットワーク」という専用システム。ここには、全国の市場から「今、どの葉が、どれくらい求められているか」という情報がリアルタイムで表示されます。さらに、売れ筋ランキングまで把握できるのです。

彼女たちは、その情報をもとに「今日はこの葉が売れる」「明日はこの花を狙おう」と、自ら判断し、採取し、出荷します。誰かからの指示を待つ「作業員」ではなく、情報(データ)を武器に戦略を立てる「経営者」そのものです。「忙しゅうて、病気になっとれんわ」と笑うその姿は、年齢を重ねることの豊かさを感じさせてくれます。

【トピック2: 「ただの葉っぱ」を「商品」に変えた価値の再発見】

発案者である横石知二氏は、ビジネスを始めるにあたり、徹底した市場調査を行いました。それは、自腹で高級料亭に通い詰め、料理人たちが「つまもの」に何を求めているかを研究すること。

その結果、料理の世界では「季節の先取り」が重んじられること、そして葉の色や形、大きさの「均一性」が商品価値を左右することが分かりました。

「山にあるものをそのまま売る」のではなく、「料理人が求める品質」に仕立て上げる。この視点の転換こそが、価値の源泉です。日本料理の「おもてなし」や「季節感」という、目に見えない文化的な付加価値を「つまもの」という形にして届けた。まさに、地域の資源に眠っていたポテンシャルを最大限に引き出した事例です。

【トピック3: 町の未来を描く「彩山(いろどりやま)構想」】

このビジネスの射程は、経済的な成功だけを見据えていません。上勝町は、日本で初めて「ゼロ・ウェイスト(ごみゼロ)」を宣言した町としても知られていますが、この葉っぱビジネスもまた、持続可能な地域づくりと密接に結びついています。

現在、「彩山構想」という壮大なプロジェクトが進んでいます。これは、戦後に植えられ、今や管理が難しくなった杉の人工林を、多様な広葉樹の森(=つまものの資源となる山)へと転換していく試みです。

これにより、ビジネスの資源を未来にわたって確保するだけでなく、土砂災害のリスクを減らし、美しい景観は新たな観光資源ともなる。経済、環境、そして人々の生きがいが美しく循環する仕組みを、町全体でデザインしているのです。

まとめ:見方を変えれば、世界は「宝の山」になる

今回ご紹介した上勝町の「葉っぱビジネス」。

その最も魅力的なポイントは、「ないものねだり」ではなく「すでにあるものの価値」を深く掘り下げたこと。そして、テクノロジーを「弱点を補う」ためではなく、「経験や知恵という強みを最大化する」ために活用した点にあるように感じます。

「高齢化」「過疎化」といった言葉を耳にすると、私たちはつい「失われていくもの」や「足りないもの」に目を向けてしまいがちです。

ですが、上勝町の事例は、見方を変えれば「経験豊かな人材」や「手つかずの自然」という、計り知れないポテンシャルがそこにあることを鮮やかに示してくれました。

年齢や環境をハンディキャップと捉えるのではなく、それを前提とした上で「どうすれば誰もが主役になれるか」という仕組み(システム)を構築する。その柔軟で論理的なアプローチは、これからの時代を生きる私たちに、多くの示唆を与えてくれるのではないでしょうか。

株式会社 いろどり
https://irodori.co.jp/
※こちらの会社・法人、個人の方と当社とは一切関係はございません。

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